• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

多核NMR法による有機イオン間相互作用の研究

研究課題

研究課題/領域番号 05640596
研究機関横浜国立大学

研究代表者

末澤 裕子  横浜国立大学, 工学部, 教務員 (30251771)

キーワード多核NMR / イオン間相互作用 / 接触イオン対 / 電子的相互作用
研究概要

我々は、ピリジニウムおよびアニリニウムハロゲン化物の水溶液について、陽イオン・陰イオンのNMR線幅を測定して、陰イオンの線幅にアンモニウム陽イオンの大きさに比例する濃度領域があることを見出し、この効果が接触イオン対の生成に起因することを示した。本研究ではこの方法を、次の1、2について研究した。
1.多酸塩基の塩におけるイオン間相互作用
(1)pKaの大きい二価の分子(ビピリジル、1、10-フェナントロリン)については、一価の塩基と同様に「アニオンの補正線幅は主にカチオンの体積に支配されている」という結論を得た。
(2)pKaの小さい二価の分子(キノキサリン、フタラジン、ナフチリジン)は、完全にはイオン対を形成できずアニオンの補正線幅は対応する一価の塩基(キノキサリン、イソキノリン)よりも狭くなる。また、その線幅はpKaの値と相関がある。
(3)ジアジンについてはpKaが小さいにもかかわらずピリジンと同様な結果となり、小さい分子ではpKaが小さくてもイオン対の形成が可能であると考えられる。
この方法により有機アンモニウムイオンとハロゲン化物イオンとの高濃度領域での接触イオン対の生成について知見をさらに深め、水溶液のミクロな構造に関して知ることができた。
2.多核NMR法のその他の相互作用系への応用
p-,m-置換アセトアニリド、ベンズアニリド、トリフルオロアニリドの15^N-NMR化学シフトに対する置換基効果を検討し、分子中のπ電子系の分極の問題や電子的相互作用の解明にも拡張して応用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] H.SUEZAWA: "EVIDENCE FOR THE PRESENCE OF CH-π-INTERACTED ap-CONFORMERS OF BENZYL FORMATES" J.Phys.Org.Chem.6. 399-406 (1993)

  • [文献書誌] T.Yuzuri: "Anomalous Polar Substituent Effect on ^<15>N-NMR Chemical Shifts of Aniline Derivatives." J.Phys.Org.Chem.7. (1994)

  • [文献書誌] T.Yuzuri: "Further Investigations on Polar Substituent Effect on the NMR.Chemical Shifts of Acylanilides and Related compounds." Bull.Chem.Soc.Jpn.67. (1994)

URL: 

公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi