• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

エノールエステルのアシル-酸素結合開裂によるオキサアリル金属錯体の生成とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 05640614
研究機関上智大学

研究代表者

増山 芳郎  上智大学, 理工学部, 助手 (30138375)

キーワードエノールエステル / 酸化的付加反応 / アシル-酸素結合開裂 / ニッケル(0)錯体 / パラジウム(0)錯体 / オキサアリル金属錯体 / アルドール型縮合反応 / 化学選択性
研究概要

筆者は、エノールエステルのアシル-酸素結合の開裂による金属錯体への酸化的付加反応、すなわちオキサアリル錯体(エノラート)の新しい生成法の開発、およびそのアルドール型縮合反応への応用を試み、以下の点を明らかにした。1.酢酸イソプロペニルとベンズアルデヒドの反応をモデルとして、触媒/試剤系を調べたところ、PdCl_2(PhCN)_2/SnCl_2,Pd(OAc)_2/2PPh_3/Zn,Ni(COD)_2/2PPh_3/Zn(NaHCO_3,orCsF)が有効であった。2.上記の複合剤系で酢酸イソプロペニルと種々のアルデヒドの反応を試みたところ、Pd/ZnおよびNi系では、配位力の強いアルデヒドが反応しやすく、通常、選択的に(E)-3-ブテン-2-オン誘導体を生成した。3.2の結果を踏まえて、異種アルデヒド存在下の化学選択性を調査したところ、キレート可能なアルデヒドが選択的に反応することがわかった。置換ベンズアルデヒドでは、電子供与基を持ったものが選択的に反応した。4.エノールエステルのニッケル(0)またはパラジウム(0)錯体への酸化的付加がキーステップであることを推定した:Pd(OAc)_2/2PPh_3またはNi(COD)_2/2PPh_3をベンズアルデヒドに対して当量使用し、Znなしで反応を行ったところ、ニッケル系のみ反応した。また、ニッケル系では亜鉛の代わりに塩基(NaHCO_3,CsF)を用いても反応した。それらの結果から、ニッケル系では、酸化的付加して生成したニッケルエノラートが直接反応し、亜鉛(または塩基)は脱離した酢酸をつかまえ、ニッケル(0)の活性を維持する役割をしていると考えた。パラジウム系では、亜鉛がなくては反応しないので、酸化的付加した後、亜鉛から電子移動が起こることにより進行すると考えた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yoshiro Masuyama: "Palladium-Catalyzed Aldol-Type Condensation by Enol Esters with SnCl_2" Tetrahedron Letters. 34. 653-656 (1993)

URL: 

公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi