研究課題/領域番号 |
05640615
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
齋藤 隆夫 東京理科大学, 理学部, 講師 (20084329)
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研究分担者 |
元木 信一 東京理科大学, 理学部, 教授 (00087339)
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キーワード | チオカルボニル化合物 / 共役チオケトン / 共役カルボジイミド / ヘテロディールス・アルダー反応 / 電子環状反応 / 分子内ディールス・アルダー反応 / オルト-キノジメタン |
研究概要 |
1.チオカルボニル化合物およびその類縁体の合成とその環状付加反応について (1)ヘテロ芳香族ケトンをLawesson試薬でチオン化すると良好な収率で容易に相当するチオケトン化合物が得られ、これらを2-クロロアクリロニトリルまたは2-ハロアクリル酸エステル類と熱反応させるとヘテロ芳香環とチオカルボニル基をヘテロジエン成分としたヘテロデイールス-アルダー付加物を生成する。この物を直ちに三級アミンを塩基として脱ハロゲン化水素を行なうと、新規な化合物である、ヘテロ環に関してオルトキノジメタン構造を持つ縮環した2H-チオピラン化合物が合成できるということが明らかとなった。このヘテロ環縮環した2H-チオピランの分子内の適当な位置に側鎖でつながれたジエノフイルを持つものは、加熱するだけでキノジメタン部分をジエンとした分子内デイールス-アルダー反応をして、縮環した別のヘテロ芳香族化合物に変換できることも明らかとなった。(2)以前の研究成果によって合成可能となった、ジエンが高度に共役したチオケトン類の二量化および分子間デイールス-アルダー反応に対する速度論的安定性は、2-の置換基とチオアシル基の置換基との立体反発の大きさによって支配される、シソイド〓トランソイド型の平衡位置(立体配座安定性)によって主に評価できることを実験とX-線解析およびAM-1計算を基に結論づけることができた。 2.共役カルボジイミドの合成と環状付加反応について 前研究成果によって合成できることが見出だされた共役カルボジイミドは、熱反応を行なうと主に電子環状反応生成物である含窒素複素環を与えるか、もしくは分子内ヘテロデイールス-アルダー環化体との混合物を与えるが、適当なルイス酸を用いると穏和な条件でも反応が進行し、しかもそのペリ選択性をコントロールでき、デイールス-アルダー付加体のみを生成させることができることを明らかにした。
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