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1993 年度 実績報告書

包接結晶中の不斉認識の研究

研究課題

研究課題/領域番号 05640654
研究機関愛媛大学

研究代表者

宮本 久一  愛媛大学, 工学部, 助手 (30229893)

キーワード光学活性ホスト / 包接結晶 / 不斉光環化反応
研究概要

包接結晶中の不斉光反応-2-〔N-ベンゾイル-N-(2-プロペニルアミノ)〕シクロヘキセノン(1__〜)と光学活性ホスト化合物(3__〜)との包接結晶に光照射すると,光学活性な9-ベンゾイル-9-アザトリシクロ〔5.2.1.0^<1,6>〕デカン-2-オン(2__〜)が得られた。3__〜は天然型酒石酸から誘導したホストである。例えば,1__〜と3__〜との2:1包接結晶を水に分散させ,室温で17時間光照射すると>99.9%eeの(+)-2が64%の収率で得られた。同様に,3-オキソ-2-シクロヘキセンカルボキシアミド(4__〜)及び4-(3-ブテニル)シクロヘキサ-2,5-ジエン-1-オン(6__〜)と3__〜との包接結晶に光照射すると光学活性な2-アザ-1,5-ジオキソスピロ〔3.5〕ノナン(5__〜),及び1-カルボキシメトキシトリシクロ〔4.3.1.0^<7,10>〕デカ-2-エン-4-オン(7__〜)がそれぞれ得られた。3__〜と6__〜との1:1包接結晶についてX線構造解析をした。ホスト分子3__〜の2つの水酸基が水素結合し,残った水素原子とゲスト分子3__〜のカルボニル基の酸素原子とが水素結合している形で包接していることがわかった。6__〜は3__〜により包接制御されているため,不斉選択的に反応が進行することがわかった。
包接結晶を用いた光学分割-シス-4-メチル-シクロヘキセン-1,2-ジカルボキシ無水物(8__〜),シス-4-メチル-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボキシイミド(9__〜),及び3-オキサビシクロ〔4.3.0〕ノン-7-エン-2-オン(<10>___〜)は3__〜との包接化により能率よく光学分割ができた。例えば,3__〜とラセミ9__〜をエーテルヘキサン(1:1)に加熱溶解し,室温で12時間放置すると3__〜と(+)-9__〜の2:1包接結晶が88%の収率で得られた。それをエーテル-ヘキサン(1:1)から3回再結晶し減圧蒸留すると100%eeの(+)-9__〜が得られた。又,4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボキシイミドとシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシイミドの動力学的光学分割が3__〜との不斉選択的加水分解を用いて行うことができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Fumio Toda: "Some Enantioselective Photocyclization Reactions in Inclusion Crystals with Optically Active Host Compounds" J.Org.Chem.58. 6208-6211 (1993)

  • [文献書誌] Fumio Toda: "Formation of Chiral β-Lactams by Photocyclisation of Achiral N,N-Diisopropylarylglyoxylamides in their Chiral Crystalline Form" J.Chem.Soc.,Perkin Trans 1.1129-1132 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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