研究概要 |
平成5年において、液体急冷法により作製したCu-Zr,Fe-si-B,Pd-Si,酸化物超伝導体の非晶質材料における作製条件と物性の関係について研究を行った。試料は双ピストンアンビル型急冷凝固装置を用い、異なる冷却・熱処理条件で作製し、電気的特性であるホール係数、電気抵抗率等の測定を行った。さらに機械的特性の1つである脆性の評価も行った。これらの研究では冷却・熱処理条件が異なると、物性が変化することを確認した。なお、冷却条件は材料のミクロ構造の支配因子であることが知られており、構造と物性の関係が、より明確になった。また、めっき法によるFe-W非晶質合金の作製に関する研究を行い、非晶質形成能などのデータを得ることができた。さらに、高Tc酸化物のイオンによるランダム化処理による研究成果も行うことができた。 なお、Cu-Zr非晶質合金のホール係数の測定、Fe-Si-B非晶質合金と高Tc酸化物の非晶質材料の脆性評価に関する研究およびめっき法により作製されたFe-W非晶質合金の形成能に関する研究は、国際会議等(International Symposium on Superconductivity(1993),ISS ′93;The 3rd IUMRS International Conference on Advanced Materials(1993),IUMRS;The 8th International Conference on Rapidly Quenched and Metastable Materials(1993),RQ8等)において研究成果を公表した。(なお、これらの研究成果は現在、学術誌に印刷中または投稿中である。) 今後の研究計画および方法 平成6年度は、平成5年度に引き続き液体急冷法およびめっき法により非晶質合金を作製し、諸物性値の測定を行う。また、それら非晶質合金に対し、ランダム化処理・時効処理を施し物性の変化と構造を明らかにする。
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