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1993 年度 実績報告書

配向性分子場を利用したジアセチレン重合反応の制御

研究課題

研究課題/領域番号 05640666
研究機関東京大学

研究代表者

菅原 正  東京大学, 教養学部, 教授 (50124219)

キーワード液晶相重合 / ポリジアセチレン / 反応性中間体 / ビラジカル / リビングオリゴマー
研究概要

(1)液晶相重合を利用することにより合成・単離されたジアセチレントリマーを、ポリビニルアルコールの高分子フィルムに埋め込んだ試料を作成した。この試料を光照射、または90℃に加熱することにより、シクロプロペン環が開環して生成したと考えられるビラジカルの3重項種(D=2.53×10^<-3>cm^<-1>,E=4.1×10^<-4>cm^<-1>)のESRによる検出に成功した。またスペクトルの温度依存性より、このジラジカルは、熱励起3重項種であることが明らかになった。
(2)ビラジカルの構造に関し、横浜国立大学の永瀬助教授との共同研究により、GVB法による理論計算を行い、安定な配座およびスピン分布についての知見を得た。この計算により求められたスピン電子密度の結果は、ESRスペクトルより得られた零磁場分裂パラメーターをよく説明できる。
(3)単離されたトリマーを、モノマーが形成する液晶性反応場にもどし、モノマーと共に加熱したところ、ペンタマーや高次オリゴマーが生成することを見いだした。このことより、トリマーがリビングオリゴマーとみなせることが明らかになった。
以上、液晶相重合により単離されたトリマーは、開環して生成するビラジカルと平衡にあること、トリマーはモノマーからなる液晶性反応場中で重合反応を再開する点でリビングオリゴマーと見なせることを明らかにした。この2点は、秩序場におけるジアセチレン重合の機構解明の上で重要な知見といえよう。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Tadashi Sugawara: "Crystal structure and solid state reactivity of unsymmetrically aryl-substituted diacetylene" Mol.Cryst.Liq.Cryst.225. 393-398 (1993)

  • [文献書誌] Tadashi Sugawara: "Kinetic feature of nematic phase polymerization of diacetylenes" Mol.Cryst.Liq.Cryst.226. 201-205 (1993)

  • [文献書誌] Tadashi Sugawara: "Structure and properties of overcrowed condensed polycyclic aromatic hydrocarbons" Toyota Kenkyu Hokoku. 46. 165-173 (1993)

  • [文献書誌] Tadashi Sugawara: "How can crystalline environment provide outstanding stability and chemistry in molecular crystals" “Chemical Reaction in Molecular Crystals"Kodansha,Tokyo and VCH,Weinheim eds.Y.Ohashi, 12 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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