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1993 年度 実績報告書

スターバーストデンドリマーに基づく動電クロマトグラフィー用キャリアーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 05640682
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

田中 信男  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60127165)

研究分担者 細矢 憲  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (00209248)
荒木 長男  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (70028124)
キーワード動電クロマトグラフィー / 固定相
研究概要

動電クロマトグラフィー(EKC)には、通常イオン性ミセルがキャリアとして用いられているが、この系に分子識別能力を付与する目的で、スターバーストデンドリマー(SBD)を合成しEKCに適用した。アンモニア、および、キシリレンジアミンを核としてSBDを合成し、それぞれジェネレーション(G)=3.5をEKCに適用したところ、いずれも有機溶媒存在下においてもキャリアとして機能し、しかもミセル系キャリアとは全く異なる分子形状識別能力を示した。
SBDは、疎水性相互作用に基づく識別能力が小さく、アルキル化合物に対してアルキル鎖の大きさに基づく分離をほとんど示さない。一方、分子骨格の剛性とサイズに基づく高い構造識別能力を示して、ナフタレン、アントラセン、ピレンなど、平面的で剛性の高い多環芳香族化合物に対して非常に大きな保持と炭素骨格に基づく相互分離を与え、逆にベンゼン環が回転の自由度をもつような、かさ高い化合物に対して小さな保持を示した。これは逆相クロマトグラフィー(RPLC)におけるポリマーゲル充填剤と同様の保持特性である。また、極性置換基をもつベンゼン誘導体についてもRPLCにおけるポリマーゲルと同様に双極子-双極子相互作用に基づく保持特性を示した。これに対して、ドデシル硫酸ナトリウムミセル系は、RPLCにおけるODS型充填剤と同様に溶質の疎水性に基づく液-液分配と類似の保持特性を示した。これらの結果はSBDのジェネレーション選択的誘導体化によって、高度の分子識別の実現の可能性を示唆するものであり、この研究によってEKC用高機能キャリアの設計についての重要な知見が得られた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] N.TANAKA: "Stationary phase effects in RPLC" J.Chromatogr.656. 265-287 (1993)

  • [文献書誌] K.KIMATA: "Electron-acceptor and electron-donor chromatographic stationary phases" Anal.Chem.65. 2502-2509 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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