1.オルトケイ酸メチルと酵素の混合溶液からゾル-ゲル法により、白金電極上に酵素を包括したシリカゲル薄膜を形成させた。下地白金電極をあらかじめポリ(O-フェニレンジアミン)電解重合薄膜で被覆することにより、更にゲル膜をグルタルアルデヒド蒸気で処理することにより、基質に対して迅速かつ特異的に応答する各種の酵素センサーを得た。 2.ペルオキシダーゼがグラファイトの細孔内に吸着し、活性部位(ヘミン)と電極との間で直接的な電子移動が起こることを見い出し、メディエーターを必要としない過酸化水素電極を開発した。さらに、このセンサー原理を過酸化水素を生成する種々のオキシダーゼと組合わせて、各種の酵素センサーを開発した。更に、導電性オスミウムポリマーに固定化した酵素薄膜は酵素-電極間の電子移動を促進することを明らかにし、マイクロセンサー作製に適した方法として提案した。 3.1と2で得られた知見をもとに、味覚センサー、鮮度センサー用のマイクロアレイ酵素センサーを作製した。又、血中あるいは脳内の各成分をin vivoでモニターできるマイクロダイアリシスセンサーを開発し、その特性評価を行った。 4.以上開発した各種のマイクロアレイ酵素センサーを実試料分析あるいはin vivo分析に適用した結果、計測機能の多元化に成功した。
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