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1995 年度 実績報告書

植物の腫瘍,奇型腫形成に関与する遺伝子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 05640701
研究機関秋田県立農業短期大学

研究代表者

我彦 広悦  秋田県立農業短期大学, 附属生物工学研究所, 助教授 (10191842)

キーワードアグロバクテリウム / 植物腫瘍 / 奇型腫 / サブトラクション / ディファレンシャルディスプレイ
研究概要

土壌細菌Agrobacterium tumefaciensは多くの植物に感染して、根頭癌腫病を引き起こす。この植物腫瘍は、培地においては異状な形態を示すことも多い。従って、腫瘍、奇型腫においては細胞の生長、分化に関与する遺伝子の発現が、正常な組織に比べ、促進あるいは抑制されているのではないかと考え、これを分離することを目的とする。昨年までの研究で、タバコから得られた遺伝子の一つ16kDa蛋白遺伝子は、ニンジンの再分化に伴なって一過的に発現が促進されるDC215と相同性があり、正常組織に比べ不定芽において大量に発現が促進されていることが判明した。これを強いプロモーターであるCaMV35下流にアンチセンスになるようにクローン化し、タバコに再導入したが、得られた植物体に形態的な影響は見られなかった。しかしながら、傷により発現が誘導されることを見いだした。さらに遺伝子探索を行なうため、A.tumefaciens AKE10株の6b遺伝子をタバコに導入した。本遺伝子はオーキシン、サイトカイニンの働きを促進し、葉切片をホルモンフリーの培地で培養すると多数の不定芽を分化した。オーキシン、サイトカイニン両遺伝子を持つ未分化腫瘍、6bを持つ正常、および不定芽の3種の組織に、ディファレンシャルディスプレイ法を適用し、遺伝子発現の違いを同定した。その結果、未分化腫瘍で一番多く発現されたクローン1-22A、正常および不定芽で大量に発現されている2-13、2-14クローンを分離した。2-13はクロロフィルアポ蛋白と称される遺伝子psaBと相同であり、2-14はクロロプラストmRNAに結合してその成熟に関与する遺伝子と酷似していることがわかった。本遺伝子、ひいてはクロロプラストが植物全体の組織分化に関与する可能性を考えるに至った。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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