研究課題/領域番号 |
05640738
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研究機関 | 秋田県立農業短期大学 |
研究代表者 |
増田 清 秋田県立農業短期大学, 生物工学研究所, 助教授 (60157203)
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研究分担者 |
小野 道之 秋田県立農業短期大学, 生物工学研究所, 講師
井上 正保 秋田県立農業短期大学, 生物工学研究所, 教授
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キーワード | 核マトリックス / 核タンパク / ニンジン(核構造) / 不定胚 |
研究概要 |
ニンジン不定胚から、篩による濾過、Percoll密度勾配遠心法等の分離操作を組合せることにより純度の高い核標品を得た。細胞の磨砕に先立ち、短時間の酵素処理を加え細胞壁を部分的に分解すると、核単離に伴う機械的破壊が効果的に抑えられた。同時に、このような細胞壁分解酵素による消化は、ニンジン細胞からきわめて高い収率で核を得ることを可能にした。さらにタンパク質分解酵素阻害剤を含む適切な組成の緩衝液の利用は、単離途中での核蛋白の低分子化を抑制した。このようにして得られた核は、蛋白の電気泳動と電子顕微鏡による形態観察から、続く核マトリックスの生化学的ならびに形態学的解析に支障なく利用できるものと判断された。ニンジンの核マトリックスは、非イオン性界面活性剤Triton X-100による洗浄、deoxyribonuclease(DNase)によるDNAの分解、さらには高濃度の塩を含む緩衝液による処理という動物細胞で広く行われている基本的な抽出過程を経て調製した。次いで、ニンジン不定胚の核から得られたマトリックスの形態と、核内緒構造に含有される蛋白分子種について顕微形態学ならびに免疫学的手法を駆使し比較検討した。その結果以下に要約されるような知見が得られた。(1)クロマチンの大部分を除去した後に残る核内構造として、表層のラミナ様構造、核小体残渣、内部繊維系の三つの基本的な要素が存在する、(2)表層にはSDS-PAGEにより推定される分子量約100kDaの蛋白が局在している、(3)この蛋白は二次元電気泳動により近接した複数のスポットに分離することから、一群の近縁分子種であるかあるいは何らかの修飾を受けているものと推定される、(4)この蛋白に対するモノクローナル抗体は細胞質成分とは反応しないか、あるいは1い反応性しか示さない。以上の結果をふまえ、これらの蛋白の一次構造の解明が、今後の本研究遂行の中での具体的な課題として重要な位置を占めるものと考えられた。
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