• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

トリプトファン分解酵素から進化したトコブシ・ヘモグロビンに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05640771
研究機関高知大学

研究代表者

鈴木 知彦  高知大学, 理学部, 助教授 (60145109)

キーワードヘモグロビン / ミオグロビン / インドールアミン二原子酸素添加酵素 / 分子進化 / トコブシ / アワビ
研究概要

本年度は以下の2点について重点的に研究を行った.
マダカアワビの組織ヘモグロビン(ミオグロビン)のcDNA構造の解析
マダカアワビの歯舌筋(赤筋)から精製されたヘモグロビンをアミノ酸分析したところ、その組成はトコブシのものと良く似ていた.従って両者のアミノ酸配列も良く似ていると推定されたので,トコブシのヘモグロビン遺伝子の増幅に使われたプライマーを用いてマダカアワビのヘモグロビンcDNAをPCR法で増幅する戦略を立案した.先ず,マダカアワビの歯舌筋からmRNAを取り出し,定法に従ってcDNA化した.これを鋳型に用いて混合オリゴマーとオリゴdtでcDNAの3'側を先ず増幅し,プラスミドpUC18にサブクローニング後,ジデオキシ法によって塩基配列を決定した.新たに得られた塩基配列を基に2種類のオリゴマーを合成し,再度cDNA化を行い,5'上流域をPCR法によって増幅しその塩基配列を決定した.トコブシとマダカアワビのヘモグロビンの推定されたアミノ酸配列は89%一致し,またヒトのインドールアミン二原始酸素添加酵素(IDO)とは35%一致した.本研究によりIDO様ヘモグロビンがトコブシだけでなくアワビ類に広く分布していることが確かめられた.
トコブシヘモグロビンのゲノムDNAの構造解析
IDOとトコブシヘモグロビンの関係を探る第一歩として,ヒトIDO遺伝子の構造をモデルとし,PCR法を駆使してトコブシヘモグロビン遺伝子構造の解析を試みた。現在までに90%以上の解析を終えており,トコブシヘモグロビン遺伝子には少なくとも13個のイントロンが見い出され,そのうちの8個はヒトIDO遺伝子のイントロンとその位置が一致していた.このことは,トコブシヘモグロビンとIDOが共通の祖先遺伝子から進化してきたことを強く示唆している.

URL: 

公開日: 1995-03-23   更新日: 2019-02-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi