褐藻ニセツルモ、ホソツルモ(ニセツルモ科)、ツルモ(ツルモ科)、スジメ、ワカメ(コンブ科)の自然藻体(胞子体)の採集を行った。またPhyllariopsis科のPhyllariopsis brevipesとツルモ科のChorda tomentosaについて培養により藻体の増殖を行った。従ってコンブ目の各グループ(特に原始的時名考えられるグループ)を代表する種をほぼ網羅することができたが、レッソニア科の種については適切な培養株を入手できなかった。。 採集した藻体は液体窒素で急速凍結したのち乳鉢中で粉砕し、N-ラウロイルサルコシンナトリウム溶液で溶解した後、エチジウムブロマイド-セシウムクロライドを加え超遠心に平衡密度勾配遠心により核DNAを抽出した。これまでに明らかになっている褐藻カヤモノリのrDNA塩基配列をもとにプライマーを作製しPCR法により18SrDNAの一部、ITS1、5.8SrDNAを増幅し、その一部につき塩基配列を決定した。この結果に基づき系統関係を解析中であるが、藻体に多量に含まれるフェノールと多糖のため純度の高いDNAをを得ることが困難な種もあり、PCRの結果が安定しない場合があった。
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