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1995 年度 実績報告書

緑藻オオヒゲマワリ科の精子束に関する遺伝子群の分子系統学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05640800
研究機関東京大学

研究代表者

野崎 久義  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40250104)

キーワード緑藻類 / オオヒゲマワリ科 / 精子束 / 系統進化学 / 分子生物学 / 遺伝子
研究概要

形態的形質に基づく系統解析(Nozaki & Itoh 1994)では固有または共有派生形質が無く、最も異形配偶の生物に近縁と考えられるYamagishiella属は昨年度実施の葉緑体のrbcL遺伝子を用いた分子系統学的研究(Nozaki et al.1995)では解析しなかった。本年度は日本及び米国産のYamagishiella unicooca3株のrbcL遺伝子をPCR法により増幅し、1,128塩基対をdirect sequence法を用いて全自動DNAシークエンサーで解読した。これらのデータを昨年度の研究結果に加えて最節約法及び近隣結合(NJ)法を用いて系統関係を推測した。その結果、Y.unicooca3株は高いブートストラップ値で単系統群を形成している事が判明した。この事は形態的に派生形質が認められなくとも単系統である種の実在を示すものと考えられ、微細藻類の系統学的研究には形態と塩基配列の両データが不可欠である事を示した。また、最節約系統樹では、YamagishiellaはEudorinaの派生する直前に進化した事を示した。これは形態的形質に基づく系統解析結果(NOzaki & Itoh 1994)を支持し、過去に於いてYamagishiella様の32細胞性の同型配偶の生物が精子束を獲得してEudorinaとなり、更に細胞数が増加し、Pleodorina.Volvox(V.rousselettiiを除く)が誕生した事が推測された。従って、精子束に関する遺伝子群の系統解析にはYamagishiellaとEudorinaを比較研究するのが適切と考えられた。
また、微細構造レベルの形態学的な研究が実施されていなかった群体性のBasichlamys属の栄養群体の微細構造を観察した。更に、これらのデータを含めた分岐系統学的解析を実施し、Basichlamysの系統的位置を明らかにした。その結果、Basichlamysはテトラバエナ科のTetrabaenaと単系統群を形成することが判明し、rbcL遺伝子による系統解析結果(Nozaki et al.1995)と一致した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Nozaki,M.Itoh,R.Sono,H.Uchida,M.M.Watanabe & T.Kuroiwa: "Phylogenetic relation ships within the wlonial Volvocales(Cheorophyta)inferred from rbcL gene seguence data" Journal of Phycology. 31. 970-979 (1995)

  • [文献書誌] H.Nozaki,M.Itoh,M.M.Watanabe & T.Kuroiwa: "Ultrastructure of regetative colonies and systematic position of Basichlamys (Volvocales,Chlorophyta)" European Journal of Phywlogy. 31. 1-6 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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