• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

ナノ・メートルスケールの異種半導体薄膜積層構造に基づいたフォノン光学素子の設計

研究課題

研究課題/領域番号 05650002
研究機関北海道大学

研究代表者

田村 信一朗  北海道大学, 工学部, 教授 (80109488)

キーワードフォノン / 超格子 / 障壁 / 透過率 / 共鳴トンネル / トンネル時間
研究概要

研究初年度である平成5年度においては、単一および二重障壁系におけるフォノンのダイナミカルな振る舞いを考察した。つまりフォノン光学素子の動作時間と密接に関係したフォノンの透過時間を主に数値的に調べ、透過および反射の際に生じる時間の進みと遅れを明らかにした。具体的に対象としたのはGaAsとAlAsを構成要素とする半導体周期超格子からなる系であり、この系におけるフォノンのBragg反射に伴って出現する周波数禁止帯(フォノン・ストップバンド)中にある周波数域に着目した。周期超格子はこの周波数域内にあるフォノンに対しては障壁として作用する。つまり超格子内ではフォノンの波数(運動量)は虚数となり運動量が実数とならないため、このような領域をフォノンが通過するのに要する時間は、とりわけ興味深い対象である。本研究では周期超格子系における透過率、および反射率に対して我々が既に導いた解析的表式を基に、フォノン波束の透過、反射に伴う時間の遅れや進みを数値的に解析した。その結果
(1)単一障壁系では透過波に時間の進み、反射波に時間の遅れが生じること。
(2)二重障壁系では多重反射の効果として共鳴周波数において、透過、反射波束で共に大きな時間の遅れが生じることが明らかとなった。現在、以上の物理的理由の解明を目指して、解析的計算を実行中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] S.Mizuno: "Transmission of Sub-THz Acoustic Phonons in a Kronig-Penny System for Phonons" Solid State Communications. 85. 639-642 (1993)

  • [文献書誌] S.Mizuno: "Multiple Barrier Systems for Phonons:Transmission Characteristics" Japanese Journal of Applied Physics. 70. 2206-2209 (1993)

  • [文献書誌] M.E.Msall: "Quasidiffusion and the Localized Phonon Source in Photoexcited Si" Physical Review Letters. 70. 3463-3466 (1993)

  • [文献書誌] S.Tamura: "Quasidiffusive Propagation of Phonons in Si:Monte Carlo Calculations" Physical Review. B48. 13502-13507 (1993)

  • [文献書誌] N.Nishiguchi: "Phonon Speckle,Universal Transmission Fluctuations and Localization in Partially-Ordered Semiconductor Superlattices" Physical Review. B48. 14426-14435 (1993)

URL: 

公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi