研究概要 |
[a].PLAS(photoluminescence absorption spectroscopy)の超薄膜構造について実験を行い、約500Aまでの測定は可能であるが、400A以下の測定が困難であることが分かった。その原因として(あ)基板の凹凸(2000Aのオーダ)(い)迷光を防ぐために用いているAl膜のヒロックの発生(う)シミュレーションから分かったクラッド層厚依存性等が分かった。 [b].PLAS構造の光の作る電磁界の解析を行い、コア層のa-Si:Hが薄くなると光のクラッド層へのしみだし(Goos-Hanchen)が大きくなり、それに耐えるだけの厚みを持つクラッド層が必要になることが分かった。 [c].上記の対策をした結果400Aのコアa-Si:Hについて8000Aのクラッド層を用いることによってPLASの測定に成功した。 [d].PLASから求める吸収係数は界面の影響を受けるため外部に金属電極を取り付けることによってPLAS信号の電圧依存性を調べることが可能である。(あ)まず電極としてAlを用いることによってPLAS信号の電圧依存性を明らかにした。(い)さらにITOスパッタ膜の作製を行い、それをもちいてMISIM系で電圧依存性と履歴の存在を見い出した。 [e].迷光防止用に使う金属として新しくNi-Cr、Ni、Crについて検討しヒロックを防止出来、さらにAlに比較して反射率が少ない小さいので、より優れていることが分かった。このためNi-Cr系用にスパッタ装置を設計製作し、これを用いてNi-Cr,Ni,Crのスパッタ膜を作りPLASに用いた。 [f].クラッド層としてSiO_2をSiH_4/O_2またはSiH_4/N_2Oのグロー放電分解で作製してきたがa-Si_3N_4:Hと比較して界面の性質は良くなかった。クラッド層としてTEOS(tetraethoxy silane)のグロー放電分解によるSiO_2を試作し良質な膜の作製に成功した。 [g].さらにTICS(tetraisocyanate silane)を用いて、界面の動的性質を悪くするOH基と水素Hを極度に減少させた。a-SiO_2膜の作製を行いPLASに用いた。その結果クラッド層としてSi_3N_4:Hを用いた場合よりも良質の界面特性を得ることに成功した。
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