研究概要 |
最近光トラッピングあるいは光ピンセットと呼ばれる技術が開発され,直径がサブミクロンから数ミクロン程度の微粒子を自由に移動,配置で出来るようになった。本研究においては,この光トラッピング技術を駆使して,微粒子の周期構造を作り,この光学的な特性を研究することを目的とする。 本年度はまず,光トラッピング技術による微粒子の二次元,三次元配列技術の開発のための基礎技術として,従来のレンズによる単一粒子の制御に替り,干渉縞やある種のパターンを投影することにとって,多粒子の配列を同時に行う方法を試みた。そのための光学顕微鏡を改造した微細パターン投影装置を試作,基礎実験を開始した。 パターン投影技術により,直径5ミクロン程度のポリスチレンの複数粒子を直線上,格子状に配列することに成功した。また,より微細な格子投影技術として,干渉縞の投影による微粒子の配列にも成功した。 これらの実験的研究と併せて,理論的な検討も行った。すなわち,従来の単一フォーカスによる光トラッピングモデルに代わり,帯状の強度分布をもったレーザビームによるトラップ力の検討をおこなった。光分布の幅と粒子の大きさの間には最適な値が存在することを示した。 これらの研究を行う過程で,粒子を同時に移動,回転させる方法を考案し,一部基礎的な実験を行い,実現可能であることを確かめることができた。
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