研究概要 |
1.反応性成膜法によるTm^<3+>イオン添加酸硫化希土類薄膜(Y_2O_2S,La_2O_2S)薄膜の作製条件を検討した。 (1)薄膜形成の出発材料には酸化物または酸硫化物を用いる方法が考えられる。これらの材料から薄膜を作製したところ酸硫化物螢光体が出発材料として適していることがわかった。一方、酸硫化物螢光体の作製には種々の方法が考えられ、それらについて検討を行なったところY_2O_2S:Tm,La_2O_2S:Tm螢光体粉末の作製には共沈法により作製したY_2O_3;Tm,La_2O_3:Tm螢光体を硫化させる方法が適していることが示された。 (2)良質の結晶性を持つ薄膜を得るために、種々の条件下作製した薄膜の膜質をX線回折法により評価した。薄膜成膜時の基板温度・硫黄の補給、蒸着後の熱処理条件を制御することにより、比較的結晶性の良い薄膜が得られた。 2.本研究交付金により購入した光源を用いて螢光体粉末の光学的特性(励起・発光スペクトル)を測定した。また、薄膜の光学的特性(吸収・励起・発光スペクトル)も評価した。 3.上記結果を参考に種々の構造の薄膜EL素子を作製したところ、発光層と半導体層を積層した素子からEL発光が得られた。 4.EL素子の輝度向上を目的に、薄膜の結晶性・Tm^<3+>イオンの励起機構・EL素子の構造・絶縁層などについて検討を進めている。
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