研究課題/領域番号 |
05650066
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
後藤 金英 大阪府立大学, 工学部, 教授 (40027363)
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研究分担者 |
村上 洋一 大阪府立大学, 工学部, 助手 (90192773)
田尻 昌義 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (10081423)
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キーワード | 周期流 / セル構造の流れ / フロケ系 / 流体力学的安定性 / 非平行流安定性 / 非線形安定性 / 三次元不安定性 / 臨界レイノルズ数 |
研究概要 |
空間的に周期的な駆動力によって生じる空間周期流は、駆動力が臨界に達すると、駆動力の周期構造と全く別の周期構造を持つようになる。本研究では、二次元平行周期流における二次元セル構造の発生、二次元セル流おける三次元構造の発生、およびこれらの流れの間の遷移の問題を線形・非線形安定論の立場にたって解析し、そのメカニズムを解明することを目的とする。本年度の研究はほぼ実施計画どうり行われ、下記の成果を得た。 (1)二次元セル流の安定性問題。長方形セル流の安定性を問題にして、長方形の辺の縦横比により、負粘性効果を特徴とする撹乱と、同効果を伴わない撹乱の二種類の撹乱に依って安定性臨界が決定されることを見いだした。(論文投稿中) (2)三次元撹乱に対する不安定性。非平行流である空間セル流では、平行流の安定性理論で確立されているSquireの定理が成立しないので、三次元撹乱が安定性に本質的に寄与する筈である。代表的なセル流についてこの問題を取り上げ、長方形セル流では長方形の縦横比の、二等辺三角形セル流では三角形の底角の、それぞれの値のある範囲で、安定性の臨界が三次元撹乱に依ることが見いだされた。(論文投稿および準備中) (3)準二次元周期流の非線形安定性。水平薄層流の固体底面の境界層効を水平速度成分に比例するレイリー抵抗の形でのみ取り入れた流れを準二次元流と呼ぶが、非平行準二次元周期流の安定性を問題として、線形・非線形解析を行い、線形臨界レイノルズ数、エネルギー法に拠る非線形臨界レイノルズ数の両者ともレイリー抵抗係数に比例して増加し、さらに同抵抗の安定化作用が、任意の有限撹乱に対して流れを安定化させることを見いだした。
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