研究概要 |
空間周期流の線形・非線形安定性について実施計画に基づき、主に次のような結果が得られた。 1.長方形の辺の縦横比より、負の渦粘性の効果を伴う大規模構造のモードもしくは主流と同じ周期をもつ周期モードのいずれかが臨界安定性を決定することを見いだした。Tabeling et al(1990)の実験で観察された渦の融合が周期モードを主流に重ね合わせることで定性的に表現されることを示した。(Phys.Fluids,Vol.7(No.2),pp.302-306(1995))周期モードが超臨界状態で有限の大きさで落ち着くことを少数モードの打ち切りによる非線形系によって示した。(数理解析研研究集会1995年1月) 2.非平行流に属する空間セル流では、平行流と異なり、3次元攪乱が臨界モードを与える可能性がある。実際に長方形セル流においてある縦横比の範囲で負の渦粘性効果をもつ3次元攪乱が臨界を与えることを見いだした。(Phys.Rev.E発表予定。)また、2等辺3角形セル流においても同様なことが生じることも見いだした。(平成5年度村上雅幸修士論文) 3.準2次元周期流の非線形安定性。水平薄層流の底面での境界層の効果を水平速度成分に比例するレイリー抵抗の形でのみ取り入れる近似を準2次元流近似とよぶ。平行および非平行周期流の線形・非線形解析を行い、線形臨界レイノルズ数およびエネルギー法による非線形臨界レイノルズ数がともにレイリー抵抗の係数に比例して増大することを数値的および解析的に示した。(IUTAM Symposium Potsdam,NY,USA July 26-31.1993で発表。投稿準備中。)
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