研究概要 |
本年度は、今まで代表者の進めていた研究のうち、社会現象における離散モデルについて、Computer and Mathematics with Applications Vol.28,No.10,1994に「Discrete Models is Social Sciences」を発表、更に、代表者自身が1979年に発表した論文が新しく見直され、前田陽一が、微分方程式によっては、きざみ巾をどうとってもカオスがおこることを示した。これは経済学にとって、意味があることである。 岡田至弘は、引き続いてフラクタルの情報への応用を研究している。カラー画像の構造記述としての等色線情報を用いて、グラデーション領域を含むカラー画像の領域分割を行った。本手法による領域分割結果から、従来、分割不能として処理されていた。緩やかな色変化を示す領域も、あいまいな領域として分割可能となり、領域をすべて閉じたものとして記述することが可能となった。 池田勉は、Activator-Inhibitor系のパルス解(2つの遷移層を持つ解)の挙動をInhibitorの拡散係数Dをパラメータとして調べた。[研究集会“Nonlinear Mathematical problems in Industry",京都大学数理解析研究所,1994年7月14日] 要するに、この研究では理論の基礎についても、又その応用面についても、一定の進歩を印象づけた一年間であった。
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