研究概要 |
昨年度は,モアレ干渉計測システムを開発し,基礎実験を行なった。例えば, 1.破壊実験と干渉計測を同時に行うための引張試験機の改良, 2.精度の高い回折格子の作製, 3.干渉縞を精度良く撮影できる装置作製, などを行い,き裂先端近傍の微視的変位の計測を可能とした。これにより計測技術的な問題点は解決し,今後の研究の目的を大きく前進した。 現在までの研究により,以下のような知見を得た。すなわち, 1.層間破壊モデルとして広く採用されている初等梁理論は,現象を正しく表現できない、 2.その原因として,き裂先端を梁の固定端と仮定し変形を拘束する初等梁理論の境界条件に問題がある。 3.き裂先端の変形を考慮したモデルにより,現象を正確に表現することが可能である,ことを明らかにした。 4.上記の知見については,機械学会(平成5年11月)において発表した。なおその内容は,日本機械学会論文集(平成6年4月号)に掲載予定である。
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