研究課題/領域番号 |
05650088
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
福田 武人 大阪市立大学, 工学部, 教授 (40047155)
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研究分担者 |
三木 光範 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (90150755)
逢坂 勝彦 大阪市立大学, 工学部, 講師 (10167299)
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キーワード | 光ファイバ / ヘルスモニタリング / 繊維強化複合材料 / 層間せん断強度 / 層間はく離 / クラック |
研究概要 |
本年度はまず、光ファイバを使用したFRP構造物のヘルスモニタリングを実現するシステムの構築のため、主に、以下の2つの項目について検討して新たな知見を得た。 (1)光ファイバを埋め込んだことによるFRPの機械的性質への影響 FRP積層板に光ファイバを埋め込んだことによる影響が最も大きいと考えられる。層間せん断強度について検討した。その結果、FRP積層板の強化繊維の方向と埋め込む光ファイバの方向により、その影響が異なることがわかった。また、2本の光ファイバを埋め込んだ場合、その層間せん断強度への影響が埋め込む光ファイバの間隔によって異なることもわかった。そして、埋め込み光ファイバを含む断面における繊維体積含有率を測定した結果、光ファイバを含む断面においては繊維体積含有率が若干高くなり、特に光ファイバ近傍でかなり高くなることが明らかになった。 (2)層間はく離、クラックなどの損傷を検出するシステムの開発 既に、FRP積層板内のクラックを検出するシステムについては開発を行い、静的および衝撃荷重下においてその有効性を示している。しかし、このシステムでは層間はく離を確実に検出することはできなかった。そこで、本年度は層間はく離を検出する方法を新たに考案し、層間はく離検出が可能なシステムの開発を行った。そして、本システムによりCFRP積層板における衝撃荷重下の層間はく離検出試験を行った。実験では、落錘衝撃試験機を使用し、クラックゲージによる測定結果と本システムによる出力結果を比較検討した。その結果、本システムは層間はく離を確実に検出することが可能であることが明らかとなり、その有効性が示された。
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