有限要素初期解析の結果から、隣接要素間の主ひずみの変化を用いたシンプルな誤差指標により初期解析の誤差を推定し、所望の精度を満足するためのアダプティブ細分メッシュの自動生成の手法が明らかにされた。解析のための物理データは、平成5年度の成果によりすでに幾何形状に記述されていることから、これを用いてアダプティブ細分メッシュに対応したすべての有限要素入力データを生成するアルゴリズムが明らかにされ、曲面ソリッド構造に対し、アダプティブ細分メッシュによる詳細解析の自動化がはかられた。 また、初期解析結果をもとに、許容誤差率を与えるだけでアダプティブな細分メッシュを自動生成するモジュールREMESHが開発され、このアダプティブ細分メッシュに対応した有限要素解析のための全入力データが自動生成され、アダプティブ細分メッシュによる詳細解析が自動的に行えることが確認された。また、本研究で得られたオブジェクト指向アダプティブ法を三次元ソリッド構造解析の6題の実際問題に適用し、その自動化のプロセスが有効に作動していることを確認するとともに、比較的少ない要素数で精度の良い解を得る上で、本法は極めて有効であることが確認された。その成果については、科研補助金研究成果報告書でまとめるとともに、他の問題への適用もすすめ、論文発表として、さらに公開の予定である。本実績報告書に記載の論文では、本研究で得られたオブジェクト指向による三次元構造の形状生成と、メッシュ自動生成の手法が用いられた。
|