研究概要 |
セラミックス等無機系高硬度脆性新素材は、1300K以上の極高温領域での高温構造材料として注目されていながら、その脆性のために、初期欠陥による強度、寿命のばらつきとともに、これが強度特性の正確な把握を困難にしていることが実用化への妨げとなついる。本研究の目的はこれらの材料の広義の疲労強度特性をき裂進展挙動の定量計測により、初期欠陥によるばらつきの影響を避け破壊力学的に明らかにすることで、筆者らが金属について開発し長年にわたり改善高精度化しきた除荷弾性コンプライアンス法を一般化し、セラミックスに対し計測に十分な静的にも安定なき裂成長領域が得られ、高温にも適用の容易な新しい二種の負荷方式、最近1673Kまでのき裂進展挙動の計測に一応成功した偏心圧縮(EC)方式および、より高精度が可能と思われる二重偏心圧縮(DEC)方式と組合せてこの解明を進め以下の成果が得られた。DEC方式による負荷変形ヒステリシスの高精度計測により金属における塑性変形とことなりブリッジングフリクションに対応すると思われる固体摩擦的なヒステリシスの形状が認められ、その定量測定によりセラミックスの繰り返し負荷によるき裂進展には定説のようにブリッジングフリクションに支配される部分もあるがその変化に関係なく荷重振幅に直接支配され,時間でなく繰り返し数に支配されるる部分があることを明らかにした。また極高温領域でのき裂進展には固有の不安定性があり定常的な計測を困難にしているようで対策が示唆された。研究分担者によってはCT試験片を用いて変動繰り返し荷重下のき裂進展、開閉口挙動が調べられた。
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