研究概要 |
光硬化樹脂の硬化メカニズムの解析のために2つの解析法を試みた.光硬化性樹脂が硬化によって屈折率が大きくなるように変化するため,CT法により内部屈折率分布を計測する方法の研究を行った.さらに,樹脂の硬化によって応力,ひずみが起こることから2次元複屈折分布を計測する研究も行った. CT法によって硬化の様子を時間ごとに解析することが可能となった.これによって,光硬化樹脂が硬化によって収縮していることが予想通り確認され,今後,最適な硬化をおこなうためにはこの収縮と収縮によるひずみを考慮する必要があると考えられる. 2次元複屈折分布新しい測定法に関しては,複屈折によって生じる干渉縞を位相シフト法によって画像解析し,複屈折の方位と大きさを測定を行なっている.ほぼ測定システムの基礎実験が完了し,ひずみの計測が可能になった.今後,最も応力ひずみの少ない硬化条件を求め,効率的なモデリングを試みる. 3次元モデルデータについては今回,新たにワンステップ位相シフト法を用いた格子パターン投影法を開発し,1画面で高速,高精度に計測法の確立をおこなった.さらに,周波数変調を用いることによって位相検出を行いモアレ法の高感度化に研究に着手しており,モデルデータとしての非接触測定法の確立を行った. すでに簡単な形状の復元に関しては,復元が成功しているので,さらに,以上の手法からこの手法に適した精密な計測データの取得を行なうとともに,これをコンピュータ上で目的に応じての処理を行なった上で,実際に3次元モデルの製作を試みる.こうしたことにより,各種の物体の試作やマイクロ・マシーニングなどの微細な加工を行なうための基礎研究を行なう予定である.
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