研究概要 |
切削加工では,熟練者の技能が特に重要な役割を果たすため,彼らの知識ノウハウの取込み方が,高度な自動化に際しての鍵となる.ところが許容される作業条件が極めて狭い範囲に限られる難削材加工等では,定性的知識がほとんど役に立たない上,いわゆるエキスパートシステムを構築することも極めて難しい状況にある.本研究では,生産加工システムにおいて,系統的な方法論の確立が最も遅れている作業設計に論理的な手法の導入するため,切削条件決定問題の中から切削力と切削温度をwell-definedな問題として抽出し,定量的な解析解を参照して切削条件選定をすることを目的とする. 平成5年度に種々の切削状態に対応した切削モデルと切削温度シミュレーションの技術を主として確立したので,本年は,切削温度に加えて切削力に関するモデル化を種々の切削状態に対して確立した.また可視化のためのヒューマンインターフェイスの充実を前年度に引き続いて行った.特に材料定数や切削条件などの入力に手間取る場合が多く,この煩わしさを解消するため,入力インターフェイスの改善・開発に力を入れた.これによりノウハウの対象となっている切削条件パラメータの選定が切削温度ならびに切削力にどれだけ影響するかを,CRT上で体験できるようにした.また,工具面の温度と応力を変数とする摩耗速度式を使用し,可視化によって得られた切削温度と切削力より工具摩耗を予測するシステムを確立した.特に現場での作業性を考慮して,可視化システムをパーソナルコンピュータに移植し,切削加工技術者が手軽に利用できるよう開発を重点的に進めた.
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