研究概要 |
1.水中衝撃波の強さについて 反射波の影響が無い状態での,爆薬と加工物の距離に対する衝撃波の強さPを実験で求めたところ,次式のようになった。P=H^<-1.356>x10^<4.53>MPa,使用した爆薬はSEP(ペンスリット65%,パラフィン35%,密度1.3g/cm^3,爆速約6900m/s)で使用量は3gである。ところが数値シミュレーションではこの圧力では打ち抜けない。実験では打ち抜けたのはダイス端面が十分広い面積を有しているので,この端面における反射波も打ち抜き作用に寄与したと考えられるが本報告書提出までに確かめることができなかった。 2.打ち抜き過程の数値計算プログラムの開発について 破断に至らない程度の衝撃圧によるせん断過程についてはほぼプログラムを完成した。工具と板との摩擦力や衝撃圧の作用時間が変形形状即ち加工精度に大きな影響を及ぼすことが分かった。更に歪速度効果,材料の塑性変形に伴う温度上昇等を考慮したプログラムの開発が必要である。 3.種々の直径に対する所要打抜き圧力(静的高液圧の場合とと衝撃水圧の場合の比較) 孔径と板厚の比が5付近で概ね一致するがこれより大きくなるほど衝撃水圧による打抜きの方が所要圧力は高くなることが分かった。 4.衝撃波発生装置の製作及び性能試験について 本装置は円筒状水圧室に丸棒を衝突させて衝撃圧を発生させる方式である。この衝突させる棒の質量が打抜き厚さに与える影響については軽い方がやや有利であることが分かった。棒の質量を一定にして長さを変えた場合,70〜200mmの範囲では殆ど差は見られなかった。
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