研究概要 |
1.水中衝撃波の強さについて 反射波の影響が無い状態での,爆薬と加工物の距離に対する衝撃波の最大圧力Pを実験で求めたところ,式(1)のようになったことを昨年度報告したが、今年度、ダイス端面の反射も入るような実験システムで計測したところ式(2)のような結果が得られた。 P=33884.4H^<-1.356> MPa ………………(1) P=4871.56H^<-0.72> MPa ………………(2) 式(2)を用いると数値シミュレーションによる最終変形形状が実験と概ね一致するようになった。 2.帯板を両面せん断する打抜き過程と板に穴をあける打抜き過程の大きな差は前者はダイス端面上を材料が滑って中央部へ引き込まれるのに対して後者はダイス端面と接触している部分は殆ど動かない。その結果、前者はしぼり加工、後者は張り出し加工のような塑性変形を呈する。このことは数値シュミレーションと実験結果の両方で確認できた。 4.衝撃波発生装置(高速度加工機と呼ぶ)を使ったパイプ側壁への穴あけ加工 (1)同一外径のパイプにおいて、肉厚が厚くなるにつれて衝撃弾の所要打出し圧力は2次曲線的に増加する。 (2)同一外径、同一肉厚のパイプについて、ダイスの穴数の増加に対して衝撃弾の所要打出し圧力は一定割合で増加し、またダイスの穴の配置が対向する場合にも打出し圧力を一定量増やすことで穴あけ加工が可能となる。 以上のように打抜き時の変形過程をシミュレートできるプログラムの作成やパイプの側壁に穴を打抜ける高速度加工機の試作をほぼ完了し基礎的研究を行うことができた。しかしながら、水中衝撃波の伝播をシュミレートできるプログラムを作成するという大きな課題は予定した期間内に解決出来なかった。なお、本研究の成果の詳細については別冊の研究成果報告書に記した通りである。
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