研究概要 |
本研究によって次のような知見が得られた。 1.衝撃波発生源までの距離が打抜き精度に及ぼす影響 円管側壁への孔あけでは衝撃波の管端からの反射が精度に大きな影響を与えるので距離等長さの次元が関係してくる。 2.試料の材質と打抜き精度との関係 金属の違いによる材質の差よりも構成式の差が大きい。 3.静的高液圧による実験結果を水中衝撃波による打抜き条件の設定にどの程度適用できるか アルミ板の孔あけについての実験結果から、所要圧力について次のような傾向が見られた。孔径と板厚の比が比較的大きいところでは静的のほうが小さくてすむが、小さくなる程両者は近づく。 4.打抜き過程の数値計算プログラムの開発 破断に至らない程度の弱い衝撃圧を与えた場合の板の孔あけに関しては、今回開発したシュミレーションプログラムの適合性を確認できた。 5.衝撃波発生装置の試作 爆薬程の強い衝撃圧は得られないが今回製作した高速度加工機を使って板及び円管に孔をあけられることが分かった。孔径と板厚を適当に選ぶことで様々な実験に供することができる。 6.円管側壁にあけられる小孔の大きさ,形状及び数 研究成果で報告しているように試作した加工機を使って肉厚2mm、直径25mmのアルミの円管に半径1.5mmの長円を5個まであけられることが確認できた。 今後の計画 今回開発したプログラムを更に発展させて、円管に孔をあける場合のせん断変形過程及び衝撃波の伝播についてシュミレートできるプログラムを作成する予定である。
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