理論的研究の一つとして、宇宙飛翔体の大気圏再突入時に問題となる、触媒性壁面で原子気体が再結合を起こし分子になる反応過程に対し希薄化の影響を調べている。反応に伴う非定常現象の解明のため、突然に壁面で反応が進行しだした場合の気体内の流れの様子を調べ、反応度・希薄度による流れの形態変化を明らかにした。次に、反応性気体の定常な流れにおける希薄化の影響を調べるため、平面壁に沿う原子分子混合気体の流れを考え、クヌーセン層の解析を行っている。その結果、流れに対するすべり境界条件の反応度に対する変化を明かにしている。これらの成果は国際希薄気体力学会議で発表し、その会議録に発刊予定である。また、流れに対する反応と希薄化の具体的影響を調べるため、平面壁上の剪断流を考え、すべり流として解析を行っている。この成果は応用力学講演会で発表され、その会議録に発刊されている。次に、化学工学に関連の深い触媒に関する問題として、触媒壁を持つ円管を通る2成分混合気体の自由分子流、および一端が閉鎖されている円管に対する自由分子流の解析を行っている。その結果、反応生成量が円管の長さおよび壁面での反応率によってどのように変化するか、したがって、どのていどの円管を用いるのが効率的であるかを明かにしている。これらの成果は、日本機械学会の講演会で発表している。
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