触媒性壁面を過ぎる二成分混合気体の流れに対し、二成分気体が壁面で反応する場合に、気体の希薄化の影響を理論的に調べた。すなわち、希薄度があまり大きくない場合に、準連続体領域で用いられるべき方程式とそれに対するすべり境界条件がどうあるべきかを求めた。その結果、壁に垂直方向の分子拡散速度は、壁面での反応度にのみ依ること、また、速度や温度の滑り係数は、壁面での二成分気体分子の割合に依って大きく変化することなどが明らかにされた。この方程式系を用いて触媒性を持つ二平面間の高速流を解析し、触媒壁が流れや熱伝達量にどう影響するかを明らかにした。さらに、三成分混合気体に対しても同様の解析を行った。この場合、壁面での温度のとびが気体分子の混合比によって異なり、比によっては、正にも負にもなりうることが示されている。また、高温二原子分子の持つ振動エネルギーの固体表面での緩和とその温度のとびの条件求めた。その結果を用いて、粘性衝撃層内の流れの様子を調べている。次に、容器から触媒壁を持つ有限長さの管を経て別の容器に流れ出る反応性混合気体の自由分子流れを取り上げ、管を通る流量や管内での反応の割合がどのように変化するかを場合に調べた。その結果、反応生成物の割合は、管の長さが直径の2、3倍になれば、非常に長い場合のそれにほぼ一致するようになること、逆流により反応生成物が上流の容器に戻ってくる割合がかなり大きいことなどが明らかにされた。さらに、固体壁(Ptを取る)と気体分子(Xeを取る)の干渉を分子動力学法を用いて調べた。実験的な研究においては、流れの流量が、希薄度、壁面によりどのように変化するかを調べた。
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