研究概要 |
遠心ポンプに取り付けられたインデューサ内部のキャビテーションの解明とキャビテーションによるエロージョンの予測システムの確立を目的として,本年度は以下の実験を行った. 1.インデューサ内部のキャビテーション流れの可視化 2.インデューサ壁面の非定常圧力の測定 3.インデューサ前後の流速変動の測定 その結果,以下のことを明らかにした. 1.インデューサの入口角の増大,流量・吸込圧の低下とともに,インデューサ内部にはくりが進行し,壁面圧力波形の歪や乱れが大きくなる. 2.キャビテーションはインデューサ入口側から出口側へ領域,規模ともに発達し,不安定な状態になっていく. 3.インデューサの使用による吸込性能の改善は,最高効率流量付近で著しく,インデューサ入口側逆流流量で急激に小さくなり,それ以下の流量ではあまり見られない. 4.NPSHを下げた時のキャビテーション流れは比較的安定であるが,流量,入口角の変化によるはくりなどが原因で生じたキャビテーションは不安定である. 今後,上記実験を継続して行うとともに,衝撃圧センサを製作してキャビテーションエロージョンとの相関を研究してゆく予定である.
|