研究概要 |
多孔性媒質として,ガラスビーズ(粒径60mum)とスポンジを用いた多孔性媒質上の衝撃波の斜め反射実験を実施した.また,多孔性媒質の主要なパラメタである空隙率を考慮した二種類の極限反射モデルを考案した.一つは多孔性媒質の空隙率が0%の場合で,衝撃波の反射に関する極限解は,滑らかな固体上の斜め反射に他ならない.もう一つは空隙率100%の場合で,反射波が音波に近いものとなり入射波に音波が三重点で交差している状況と考えられることから,三衝撃波理論から得られる極限解はTrivialな解となる.空隙率が98%のスポンジベツド上衝撃波の斜め反射波はこの極限解に極めて近いものとなることが予想される.本年実施された実験から,入射角と反射角の関係は,多孔性媒質としてガラスビーズを用いたもの(空隙率約40〜50%)では,空隙率0%と空隙率100%の両極限解の中間に存在することが明らかになり,我々が予想していた通りの結果となった.また,スポンジ(空隙率98%)を用いた実験では,入射角と反射角の関係が空隙率100%の極限解に極めて近い値をとることが確認された.したがって空隙率100%の極限解を導くためのモデル化も妥当なものであるとの確証を得た. 多孔性媒質中への気流の浸透を考慮にいれた解析(単純吸い込みモデル)も実施したが,このモデルだけでは完全に実験事実を説明することが出来ないことも明らかになった.
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