研究概要 |
平成5年度においては,まず試験片として種々の直径(20,30,40mm)の円柱,トリップワイヤを取り付けた円柱および三角柱を作成した.また,側壁の影響を調べるためにエンドプレートを取り付けたものも作成を試みている.さらに気泡衝撃圧を測定するためのセンサを既存の加速度計の他に作成している.実験的研究としては,主に円柱に対するキャビテーション過程を液中の空気含有度,流速,圧力を変えながら,気泡発生点,気泡形態,衝撃パルスの観点から調べた.得られた結果によると臨界領域近くに置かれた円柱の流れ特性はキャビテーション気泡の発生によりその影響を受け質的に大きく変化した.つまりキャビテーションによる臨界領域の移行が確かめられた.気泡形態も質的に変化し乱流剥離渦に起因すると思われる表面紐状気泡が特徴的に観察された. 円柱や三角柱などの試験片の作成,円柱まわりの剥離流れ中の速度場の計測,円柱のキャビテーション過程に関する発生点,気泡の様相,加速度信号などを瞬間写真撮影,高速度写真撮影,ビデオ撮影,発生衝撃圧の強度分布および周波数解析などを行っている. その結果は学会において講演3件を行い,国際会議で論文1編が発表予定そしてまとめつつあるものが一編ある.問題としては,本研究結果に対する側壁の影響(境界層およびU字型剥離渦の影響)を調べる必要性がでており,このためエンドプレートを取り付けた円柱の製作を行っている.また,気泡衝撃圧を直接流路内で測定することが本研究の質を高める上で重要であり,そのための衝撃圧センサ(キャビテーション衝撃圧を直接受けても壊れないもの)の開発を試みている.
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