研究概要 |
研究実施計画に基づき、平成5年度はプリント板に取付けられた半導体素子をモデル化した矩形のブロックが置かれたモデル流路を作製し、パール顔料を用い流れを可視化した。実験をおこなったモデル流路の形状は当初予定していた形状で、流路にはブロックが流れ方向に20段、流れに直交する方向に5列配置されている。ブロックの形状はブロック長をL,ブロック高さをB,ブロックの間隔をS,流路高さをHとしたとき、B/L=3/8,S/L=1/4,H/L=2/8〜5/8である。可視化実験の結果、Re数が1000〜1500程度で流れが乱流に遷移することが判明した。ついで、取扱いが容易なLB1低レイノルズ・タイプの2方程式モデルを用い、Re=1900〜5000の範囲の流れおよび熱伝達について周期発達領域および入口助走区間の3次元解析をおこない、圧力損失、熱伝達の特性を明らかにした。また、入口助走区間の圧力損失および断熱ヌセルト数を実験結果と比較し、解析モデルの妥当性を検討した。 平成6年度はモデル流路の周期発達領域を対象に、LB1低レイノルズ・タイプの2方程式乱流モデルを用い、Re=100〜2500の層流から乱流への遷移領域について3次元数値解析を行い、遷移Re前後の流れおよび熱伝達の特性を明らかにした。計算を行なった流路形状はB/L=3/8,S/L=1/4,H/L=1/4〜5/8である。その結果、摩擦損失とRe数の関係および乱流エネルギーkの値から、H/L=5/8の場合、約Re=700から乱流への遷移が始まっていることが明らかになった。また、流れを層流と仮定した場合には、熱伝達、摩擦損失ともに低く予測することが明らかになった。
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