メタン層流予混合平面火炎内の温度分布および37成分の化学種の濃度の分布を詳細な化学反応を考慮して数値的に求め、火炎内に生成するprompt NOの当量比、未燃焼混合気体温度依存性を調べた。さらに、生成する全thermal NO濃度に占めるprompt NO濃度の割合を調べた結果以下のことが明らかになった。 (1)prompt NOは燃焼反応の最も激しい火炎帯内で生成し、当量比1.4以外は火炎後流での生成は見られない。希薄混合気ではprompt NOの生成は低い。未燃焼混合気体の温度が298〜389Kに上昇すると、当量比1.0〜0.6ではprompt NO濃度は僅かに増加するが、1.2、1.4では変わらない。 (2)prompt NOの生成速度の最大値は火炎帯内でN、HCN、CH濃度がピークを示す位置とほぼ重なっており、当量比1では、CH+N_2=HCN+Nで生成したNがO_2、OHと反応してNOを生成する。後流なるにつれて、HCN→NCO→NO、HCN→CN→NOの経路で生成する割合が増加する。1.4ではNOの生成速度が最大となる位置でもHCNからの経路で生成する割合が大きい。 (3)prompt NO濃度の全濃度に占める割合は火炎帯内で、NOの生成速度が最大となる位置近くまで一定値を示し、大きい。火炎後流では1.4を除いては急激に低下する。
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