研究概要 |
おもりを取り付けた金属細線の共振振動数を計測することにより,高圧下の流体の密度を測定する従来にはない新しい手法にもとづく振動細線型密度計の開発研究にあたり,本年度は以下の項目について進展を見た。 1.現有の大気圧下で作動する振動細線密度計の共振振動計測システムに設備備品費により購入したデジタルマルチメータを導入し,電圧測定精度を向上させた。 2.200MPaまでの加圧下で試作密度計の見本挙動を検証できるように油圧による加圧装置を製作し導入した。 3.純度99.0wt%のn-ヘプタンを用いて温度296.25K(室温),圧力100MPaまでの範囲において試作密度計の基本挙動を調べた。 (1)密度算出の基礎情報となる流体中での細線の共振振動数の計測は再現性も考慮して±0.5Hzの精度で行えることが確認できた。 (2)100MPaの加圧前後で密度計構成要素の塑性変形に起因する明らかな履歴現象は認められなかった。 (3)n-ヘプタンの密度の測定値を文献値と比較したところ,本測定値は0.5%以内の偏差で一致した。 4.次年度は温度制御された実験条件下で測定を試み,より詳細な検討を行う必要がある。
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