本年度は、前年度で開発された超音波ジャイロのための有限要素解析プログラムを用いて、より現実的なモデルを想定したコンピュータによる数値実験を行った。正方形、十字型、円環型など様々な形状の振動子について種々の電極配置について数値実験を行い、効果的にジャイロを動作させるための基礎データを蓄積した。その結果、1)超音波ジャイロは縮退モードで動作させるのが有利である、2)十字型、円環型などを用いて曲げモードを励振すれば低周波領域での動作が可能となり感度を向上できる、などが明らかになった。さらに、得られた数値実験の結果を検証するために、正方形面内薄板振動子を用いた超音波ジャイロを試作した。回転による共振周波数の変化、電気入力アドミタンス特性、感度特性などを計測し、現在のところまだ定性的ではあるが本解析手法の妥当性を確認した。
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