研究概要 |
本年度は,前年度までの研究実績をふまえ,主に手紡ぎを行うロボットを製作し,関連した諸実験を行い糸を実際紡ぐことを可能にした。作業中の手首の運動は人間の場合をビデオ撮影し,これより基本パターンを決定した。糸形成の制御原理は,昨年までの研究成果より,基本的にはガラ紡の原理と同じと考えて,糸形成点の張力が一定となるよう撚率を制御することにした。ただし,ガラ紡では撚率を加減するには,撚りを与える筒の回転速度を変化させるのに対し,本ロボットシステムでは手紡ぎの実際に近い形として,腕を紡錘から遠ざける糸形成速度を変化さた。また,手紡ぎでは供給原料の把持圧力も操作量であり,これが手紡ぎの習熟に関係深いと考え,空気圧制御による基礎実験を行いそれの制御工学的意味を検討した。以上より,手紡ぎの制御学的原理をほぼ明らかにし,それにより実際に紡績が可能であることを立証した。
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