研究課題/領域番号 |
05650255
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
知能機械学・機械システム
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
中沢 賢 信州大学, 繊維学部, 教授 (90021138)
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研究分担者 |
河村 隆 信州大学, 繊維学部, 講師 (70242675)
森川 裕久 信州大学, 繊維学部, 助教授 (80125749)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | ガラ紡 / 張力 / 紡績法 / 手紡ぎ / ロボット / 紡錘 / 制御法 / 撚率 |
研究概要 |
初年度においては、主に手紡ぎに一番近い紡績機械としてガラ紡機を取り上げ、それについて研究を行い、それを手紡ぎに近づけるための改良と研究を行った。その結果、ガラ紡は糸の太さを制御量、紡糸点における糸張力をフィードバック量、糸に撚りを与える綿筒の回転速度を操作量とする自力制御系であることを明らかにした。次に、この原理を現在のメカトロニクス機器で構成した人間の手紡ぎロボットにつながる張力制御紡績機(綿筒式TDS)を製作した、ガラ紡およびTDSに関する実験により、綿筒の等価重量を増すと、糸張力は大きくなり、糸の撚率は小さくなり、糸の太さは大きくなることを明らかにした。また人間の手による原料の把持拘束力に対応する綿筒内での綿原料の緊密度を変えた場合の影響を調べ、緊密度が高いほど撚率が大きく、糸の太さは小さくなることを明らかにした。 2年度においては、前年度までの研究実績をふまえ主に手紡ぎを行うロボットを製作し、関連した諸実験を行い糸を実際紡ぐことを可能にした。作業中の手首の運動は人間の場合をビデオ撮影し、これより基本パターンを決定した。糸形成の制御原理は、昨年までの研究成果より、基本的にはガラ紡の原理と同じと考えて、糸形成点の張力が一定となるよう撚率を制御することにした。ただし、ガラ紡では撚率を加減するには、撚りを与える筒の回転速度を変化させるのに対し、ホロボツトシステムでは手紡ぎの実際に近い形として、腕を紡鍾から遠ざける糸形成速度を変化させた。また、手紡ぎでは供給原料の把持圧力も操作量であり、これが手紡ぎの習熟に関係深いと考え、空気圧制御による基礎実験を行い、制御工学的意味を解明している。 以上より、手紡ぎの制御学的原理をほぼ解明し、それにより実験紡績が可能であることを立証した。
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