研究概要 |
広い範囲を2次元的,3次元的に移動するロボット及びマニピュレータの位置・変位の測定において,自由度が高く,相対的にサブミクロンの測定精度を持つ新しい精密測定手法の開発を目的として以下の項目を実施した. 1.コーナーキューブプリズムをターゲットとして,1つのレーザ測長機を鏡でトラッキングする絶対位置測定システムに,相対変位検出用の光学系を付加することによって,絶対精度50μm,相対精度0.1μm以下の3次元位置測定システムを構築した.また,このシステムにより移動ロボットの追尾を行い,その有効性を実証した. 2.ターゲットをコーナーキューブプリズムから球形の鏡面に置き換えて,1つのレーザ測長機を鏡でトラッキングすることによって,1.と同様な測長システムを構築した.球形ターゲットの使用によって測定の方向的な自由度を向上させることができた.また,球形ターゲットの実用上の問題点の解析を行った. レーザ測長機を絶対測長方式のレーザ測定手法に置き換えて,球形ターゲットに大して,トラッキングミスに対応できる方式である絶対測長システムを構築するための基礎的検討を行った.絶対測長に関しては,実用的なシステムを構築するにいたらなかったため,今後の研究のテーマとなる. 今後は,これまでの研究成果を基に絶対測長方式のレーザを実際に組み込んだシステムの構築を目指している.このシステムでは,移動ロボットの追尾,絶対位置測定,相対位置測定を柔軟に行えることを目指す予定である.
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