配電系統では、電力の質的向上や安定供給の必要により、系統の監視・制御・保護機能の高信頼化、高効率化が望まれており、従来の電気的計測に代わるものとしてオプトエレクトロニクスを応用した光電圧・電流センサシステムの開発と配電系統への適用が注目されている。しかし、現在のところ配電系統上の電圧を計測する光電圧センサシステムの開発・適用は十分には行われていない。 そこで、我々は、現在斯界で検討中の、コンデンサ分圧器を併用した配電電圧計測用光電圧センサシステムに代わる新しい方式として、平行平板電極間がBi_<12>GeO_<20>単結晶のポッケルス素子とエアギャップ又は同ポッケルス素子、絶縁物とエアギャップから成る平行平板電極方式の配電電圧計測用ギャップ付き光電圧センサシステムを提案した。本研究では、実用化を目指し上記のセンサシステムと計測部の間に高絶縁性かつ電磁誘導障害に優れた光ファイバケーブルを用いて、光ファイバ方式の配電電圧計測用ギャップ付き光センサシステムの基礎特性とその有効性を調べた。 その結果、コア径100mum、クラッド径140mumのSI型石英光ファイバケーブルを用いた、平行平板電極間にポッケルス素子を絶縁物中に内蔵する静電結合型光電圧センサは、短ギャップにおいても高感度で配電線路上の電圧を安定に計測でき、測定感度はギャップ長の調整により簡単に変え得ることを明らかにした。これらの研究成果は、平成5年度電気関係学会九州支部連合大会、電気学会放電・高電圧合同研究会、8th Int.Symp.on High Voltage Engineering(横浜)、6th Asian conf.on Electrical Discharge(大分)で発表した。
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