研究概要 |
本年度は,これまで完成していたCVケーブルの絶縁診断エキスパートシステムのプロトタイプを専門家からのヒアリングにより,知識ベースを再構築して実用化を図った。特に,ケーブルの製造形式や敷設条件を考慮した実用化システムとして完成度の高いものとした。さらに市販の活線絶縁診断装置を用いてGP-IBケーブルにより連動させて,自動的にオンライン診断システムを実現させた。このシステムについては,ある企業の協力を得て工場内に布設された6系統のCVケーブルの絶縁診断を行って,その有用性を確認した。この意味からも構築したエキスパートシステムは,実用に耐えるものと考えている。また,システムにデータベース機能を付加して絶縁診断データを格納し,ケーブルのトレンド管理を容易にさせることができた。したがって、経験の浅い技術者でも本システムのデータベース機能を利用することによって,絶縁劣化診断に関する知識をある程度まで把握することが可能である。現在,絶縁抵抗値の経時変化と絶縁破壊の関係を調査中で,この絶縁抵抗の変化をNNで学習させて絶縁破壊値の残存量を予測させる予定である。
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