研究課題/領域番号 |
05650314
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研究機関 | 東京工芸大学 |
研究代表者 |
青木 彪 東京工芸大学, 工学部, 教授 (10023186)
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研究分担者 |
西川 泰央 東京工芸大学, 工学部, 助手 (90228172)
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キーワード | ECRプラズマ(P)CVD / アモルファス-微結晶相転移 / プラズマ制御 / TFT / 表面電界効果移動度 / ホール移動度 / ゲートしきい値電圧 / ion charge up |
研究概要 |
(1)前年度ではゲルマン・ガスのECR PCVDにおいて、マイクロ波電力を4〜20Wに変化して、光電特性ημτ及び光電感度Δσp/Δσdは、アモルファス-微結晶の相転移点である8W付近で、それぞれ最大値10^<-6>cm^2/Vのオーダと1に近い値をとった。今年度はプラズマのイオン分布をさらに鋭い単峰性にするために、マグネトロンより周波数スペクトルの鋭いシンセサイズド信号発生器と進行波増幅器によりプラズマを励起した。マイクロ波電力の増加に対して、ほぼ一定の電子温度で、基板への電子照射量の直線的増加と、イオン・エネルギー分布の形をほば一定に保ち、イオン照射量のみを増加できることを静電アナライザで観測した。これによりECRプラズマの制御性を向上でき、今回も相転移点電力7W付近でημτは最高になり、アモルファス-微結晶相転移に伴うホール移動度μ_Hの符号の反転を観測した。 (2)高ドープSiをゲート電極、その表面の熱酸化膜SiO_2をゲート絶縁膜とするボトム・ゲート形TFT(薄膜トランジスタ)を作製し、表面電界効果移動度μ_<FE>をI_D-V_D特性、ゲートしきい値電圧V_Tを√I_D-V_D特性より求めた。相転移点付近のマイクロ波電力7Wより低い条件でできたアモルファスGe膜ではμ_<FE>〜0.1cm^2/Vsでありμ_Hの0.3cm^2/Vsより小さくμ^<FE>はSiO_2-a-Ge:H界面の影響を受けているものと考えられる。またV_Tについては約+5Vであった。一方、微結晶GeTFTでは、微結晶Geのμ_H〜2cm^2/Vsを遥かに越える高μ_<FE>〜240cm^2/Vsを同様なTFT構造で得た。またV_Tは負になること、ECRプラズマによるcharge upが引き起こすSiO_2のbreak downを観測した。ゲート漏れ電流を除くため、100μmの石英ガラスをゲート絶縁膜としたTFTを試作し、μ_<FE>〜50cm^2/Vsを得て、上記高μ_<FE>を確認した。μ_<FE>とμ_Hの値の大きな違い、負のV_T、高μ_<FE>微結晶Geの成膜最適条件、charge upによる絶縁膜破壊の防止策等については今後の課題となった。
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