研究概要 |
今年度は,多層超薄膜構造による(1)シャープな曲げ,分岐,(2)偏波面を利用したデバイス,(3)光電磁波回路として波長程度の回路寸法で動作する光回路の実現の可能性を理論及び実際の両面より具体的に検討した。 A.光平面回路理論による3次元導波路の解析 今年度はTEとTMモード変換を考慮した3次元的ベクトル場による光平面回路方程式を発展させ,これまでの近似解析手法では計算できないモード結合を考慮し,固有モード展開法の適用により, (1)多層超薄膜非対称3次元導波路の伝搬特性 非対称構造は平行結合導波路に有用な事(1994年電子情報通信学会春季全国大会C-263) (2)3次元導波路のステップ不連続問題 多層構造のステップ不連続問題を解析する第1歩として3層構造のステップ不連続の伝搬特性を解析した。その結果,反射電力は無視できる量である事(1993年電子情報通信学会春季大会C-31,OQE93-140) 等を明らかにした。 B.多層超薄膜スラブ導波路の作製と測定 本研究では理論と実際との対応が重要となる。高周波スパッタ装置を用いて多層超薄膜スラブ導波路(PMMA/SiO2/TiO2/……/SiO2/TiO2/Si)をある程度作製する技術を確率した。以前よりも低損失な薄膜が得られた(1993年電子情報通信学会秋季大会C-140)。今年度購入した電子ビーム蒸着については装置の組み立てが終った処で今後最適な蒸着条件を見い出すと共に温度無依存且つ低損失な薄膜が得られるかどうかを検討する予定である。
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