研究概要 |
本研究の目的はアンチエイリアス処理を施した2000×2000画素をこえる高品質画像の対話的生成の方法と実装技術の開発である。高品質画像の生成では生成される画像の分解能に対する作業領域、CPU時間の増加率が問題となる。対話的な画像生成に用いられるZバッファ法では作業領域、CPU時間とも画素数に比例するため超高精細画像の生成には向かない。それに対し提案する4分木表現dZバッファ法はZバッファ法の持つ追加書き込み性を保有した上で作業領域が画素数ではなく分解能、すなわち画素数の平方根に比例した作業領域で済むものである。そのため限定された記憶領域でもオーバーサンプリングが可能となり、分解能の高い画像が生成できる。ここで、拡張Zバッファとはサンプル点における可視面のZ値のみならず微係数(dz/dx,dz/dy)も保存するものである。単純な拡張ZバッファはZバッファ以上に記憶領域を消費するが4分木表現を導入することによりZバッファ以上に高密度に内部表現可能であることが明らかになった。 また,ハイビジョン等の超高精細ディスプレイ装置の開発も本研究の重要な部分である。本研究では4分木表現dZバッファ法で生成した高精細画像を表示するための装置としてHDTVディスプレイシステムを開発した。本装置は単なるフレームバッファではなく、コンピュータネットワークを利用して複数のコンピュータから共用できるものであり、ネットワーク環境に適した管理プログラムの方式についても研究を行った。本装置を用いて高品質医療画像の表示等も行えることが確認された。
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