研究概要 |
本年度は,遺伝的アルゴリズムによる分母分離形2次元ディジタルフィルタの最適設計に関する設計能力を詳細に検討し,かつこれを分母非分離形の場合に適用し,その設計能力を評価した. 1.遺伝的アルゴリズムによる分母分離形フィルタの設計において,突然変異率を指数関数的に減少させる方策を取り入れ,収束誤差と収束時間の減少を目指した.この結果,昨年の結果よりもより小さい近似誤差でフィルタを設計することが可能となった. 2.分母分離形フィルタの設計の評価関数において,振幅特性だけではなく,位相(群遅延)特性もいれることで,線形位相に近いフィルタの近似を行った.この結果,線形位相に近いフィルタを設計することが可能となった. 3.これまでに検討した遺伝的アルゴリズムによるフィルタ設計を分母非分離形(一般形)フィルタに適用した.ここでは,フィルタの安定性を判別するために,単位インパルス応答の絶対値和を用いた.この結果,分母非分離形に対してもフィルタの設計が可能となった.ただし,分母非分離形フィルタの安定性の判別の難しさのために,設計精度は分母分離形よりも幾分劣る結果となった.
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