本研究では、音声、データ、画像等を統合するマルチメディア通信において呼種別性能評価を効率的に行なう方法を開発するとともに、与えられたサービス条件を満足するシステムの最適設計、マルチメディア通信システムにの技術的、社会的アセスメントについて下記の研究を行い成果を得た。 マルチメディア通信に適用される広帯域ISDN(サービス総合デジタル網)におけるATM(非同期転送モード)システムでは音声や画像パケットはセルの形式で集中的に発生する。このような集中的に発生するパースト性トラヒックをMMPP(マルコフ変調ポアソン過程)で近似し、効率的に呼種別性能評価を行なう方法、およびMMPPのパラメータ同定法を開発した。 データやファクシミリのように蓄積可能な待時呼と双方向の音声、画像のような実時間性が要求される即時呼が混合される即時・待時混合システムにおいて、それぞれの要求サービス条件を満足するためのシステムを提案し性能評価法を開発した。さらに、マルチメディア通信システムのアクセス網として広く使用されるCSMA/CDLAN(イーサネット)の性能評価法を開発した。 マルチメディア通信システムは情報社会の基盤施設(インフラ)として重要な役割をはたすものであり、技術的な観点たけでなく社会的面のアセスメントが必要である。情報ネットワークを道路、パソコン等の端末を車に対比し、情報インフラとしてのマルチメディアシステムの最適設計について検討し提言を行なった。 以上の成果は国内、国外の代表的な学会(電子情報通信学会 IEEE)の論文誌に発表するとともに、各種学会等での講演、学内機関誌著書等に発表済みまたは発表予定である。
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