平成5年度の研究は、生産工場における総合管理情報システムを構築するうえで必要となる個々の技術の開発につとめた。 【.encircled1.】設備診断技術の体系化 現状の設備診断技術とその適用状況の調査にもとづいて、代表的な設備についての診断技術を整理し体系化した。 【.encircled2.】エキスパート支援システム構築ツールの検討 設備診断のためのエキスパートシステムのあるべき形を検討した。実際のシステムでは診断のための知識を完全に得ることができるほど故障は発生しない。従って、論理に基づいて故障を同定するような診断システムを構成し易い環境を構築した。対象設備の部位から部品へと設備の構成を主体とした診断システムになっている点に特徴がある。 【.encircled3.】画像処理による品質管理手法の検討 導線の自動接続装置における製品の異常検出についての検討を例として品質管理への画像処理の導入について検討を加えた。 【.encircled4.】汎用ファジィ制御器の開発 システムの数学モデルが不明で制御理論を適用し難い対象に対してオートチューニング機能を有するファジィコントローラの調整アルゴリズムの構成をおこなった。特にサンプリング間隔の選定も含めたオートチューニングのアルゴリズムを導き、対象についての少ない情報にもとづいて、ほとんどのシステムに対して安定なフィードバック制御を可能とした。
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