• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1994 年度 実績報告書

薄膜磁性半導体による人工感覚素子の開発

研究課題

研究課題/領域番号 05650373
研究機関岩手大学

研究代表者

関 享士郎  岩手大学, 工学部, 教授 (60003860)

キーワード薄膜 / 磁性半導体 / 真空蒸着 / 人工感覚素子 / 光磁気変換 / 音声磁気変換 / 味覚センサ / 匂いセンサ
研究概要

人間の5感には,視覚,聴覚,嗅覚,味覚,触覚などの感覚がありそれぞれ有機的に機能して,生活や生命の維持に寄与している.薄膜磁性半導体TMS(Thin-Film Magnetic Semiconductor)は磁性と半導体特性を具備したデバイスである.本研究ではTMSの磁気特性により,視覚,聴覚,触覚を,半導体特性で味覚,嗅覚を検出できるので複合センサとしての特長を備えている.本研究では,薄膜磁性半導体の作成と人工感覚素子への応用について検討したものである.TMSは,Mn,Zn,Feなどの金属を薄膜磁性体半導体作成装置で真空蒸着し,1000℃でアニーリング処理を施すことにより作製される.別法として,磁性半導体をボールミルで3μm〜5μmの粉末に粉砕した後,有機および無機バインダを添加して基板に印刷して焼成することにより作製できる.TMSの磁気特性を用いた視覚素子PSは,低キュリー温度のTMSに放射吸収物質RAを塗布したデバイスある.PSに光が照射するとRAがそのエネルギーを吸収してTMSに伝達して素子温度を上昇させるのでTMSの磁気特性が変わる.聴覚素子は円形のTMSを基板に接着して,その両側に検出コイルと永久磁石を配した電磁型の装置である.音声によりTMSが振動し,検出コイルより電圧が誘起する.TMSの磁気特性を用いた触覚素子は,磁性半導体粉末にシリコンゴムを分散させたもので,皮膚感覚に類似した柔軟性を有しており外部圧力で磁気抵抗が変化するので磁気ヘッドで読み出すことができる.半導体特性を用いた味覚と嗅覚素子は,TMSをマルチチャンネル構成にしたもので,果菜類や飲料の味や匂いに鋭敏に反応する.以上,本研究ではTMSの工学的有用性を明らかにし,人工感覚素子開発のへの道を拓いたものである.これらの研究成果は内外の学会誌(5編,投稿中1編)と口頭講演(8編)を通して発表を行った.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Seki,Nakayama,Chiba,Tsunekawa,Murakami: "Construction of photosensor utilizing magnetic semiconductor" Jpn.J.Appl.Phys.Vol.32,Part 1,No.5A. 1994-1997 (1993)

  • [文献書誌] Seki,Nakayama,Chiba,Tsunekawa,Matsuki,Murakami: "Pressure/photo sensor utilizing polymer magnetic composite" IEEE Trans.Magnetics. Vol.MAG-29,No.6. 3189-3191 (1993)

  • [文献書誌] 関、村上: "感温インバータ内蔵定光束蛍光ランプの動作" 照明学会誌. Vol.77,No.6. 15-17 (1993)

  • [文献書誌] Hoshino,T.Sato,Masaki,K.Sato,Matsuki,Seki,H.Sato,Kishiro,Urabe,Kido: "Conduction system ablation using ferrite rod cardiac arrhythmia" IEEE Trans.Magnetics. Vol.MAG-30,No.6. 4689-4691 (1994)

  • [文献書誌] 関、渋谷、千葉、長田、村上: "磁性半導体膜の焦性効果を用いた受光素子の基礎特性" 照明学会誌. Vol.78,No10. 61-65 (1994)

URL: 

公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi